Wiz:の実行委員会メンバーでありMie起業支援室メンバーでもある、社会保険労務士の高原祥子さん。津市ビジネスサポートセンター専門家として女性の起業相談実績も豊富で、「働く」ことに関して多くの女性から信頼を寄せられる存在です。

今回は社会保険労務士の仕事をはじめ、これまでのキャリアや「働く」「学ぶ」に関してお話を伺いました。前編では、社労士としての仕事内容や起業相談について、社労士として働き始めたキャリアの転換点についてまとめています。

 

社労士として~働く人と企業をつなぐ存在に~

 

ー三重県内で幅広くご活動ですね!

ありがとうございます。私の仕事は、大きく分けて二つです。一つ目は社労士として顧問先企業への対応や働き方改革のサポート、もう一つはMie起業支援室や津市ビジネスサポートセンターでの起業支援です。

Mie女性起業支援室は、三重県内の女性専門家たちが集まって生まれたコミュニティです。女性の起業や事業発展のサポートを目的に、2017年8月より活動をスタートしました。今は、Wiz:のコミュニティ運営も担っています。市町村などから起業セミナーのご依頼をいただいて、これから何かを始めたい方へ向けてお話する機会も多いです。

 

―女性からの起業相談は多いですか?

津市のビジネスサポートセンターでは女性からの相談を多く担当しています。相談に来る方の中には、子育て中の女性も大勢いらっしゃいます。「子どもが幼稚園に通うから」「子どもが中学校に入学するから」など、ご相談のタイミングは人それぞれ。

例えば「飲食店を始めたい」「手作りのお菓子を販売したい」「キッチンカーを作りたい」「エステサロンをオープンしたい」など、様々なご相談を受けます。それぞれの生活に合わせて「自分の希望するスタイルで働きたい」「自分のできる範囲で挑戦してみたい」という方が多いです。

 

昔は先生になりたかった??〜キャリアの転換点を振り返る〜

 

―現在の仕事を始める前、ベネッセコーポレーションで働いていたそうですね。

大学卒業後、株式会社ベネッセコーポレーションに入社しました。営業職で名古屋支社に配属。約10年の在職中、産休・育休を2回取らせてもらった後、3人目を妊娠した頃、この先どう生きたいか、どんな子育てをしたいかを真剣に考えるようになりました。

夫婦で一致したのは「三重県で子育てをしたい」ということ。都会には、最先端のサービス、豊富な情報や選択肢がありますが、子どもたちにはゆったりとした環境でのびのびと育ってほしい。

ベネッセという会社も仕事の内容も大好きでしたが、3人目の出産前に退職することに決めました。

 

―仕事から離れて3人の子育てに専念したのですね。

先のキャリアプランを全く考えずに退職して、3人の子どもの子育てをしていましたが、末っ子が1歳になる頃、私自身が落ち着かなくなってきました。子育ても3回目となると手抜きが上手になっていて、時間はあるけれどお金はどんどん減っていく…。頭の中が不安でいっぱいになっていました。

「この先どうしたらいいんだろう」「ずっと働けなかったらどうしよう」時間があると、ついついマイナスのことばかり考えてしまうことに気づいて。「これではあかん!」と思い、2015年10月に社労士事務所を開業することにしました。

 

―社労士の資格はいつ?

1人目の育休中に「何か資格の勉強をしようかな」とチラシを見ていたら「社労士」の資格を見つけて、幸運にも在職中に試験に合格することができました。ただ、「社労士として開業したい!」という目的があったわけではありません。

 

 

………後編へ続く。

 

 

(取材・構成) 杉本友美(ライティングファーム紡)
桑名市出身&在住。バックオフィスでの社会人経験ののち、ライターに転身。
働き方関連や三重などを中心としたライティングに携わる。
HP:https://www.wf-t.jp/  Instagram:@writingfirm.tsumugi